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2008年12月08日(月)更新

菊池寛賞受賞―かこさとしさん(絵本作家)

第56回菊池寛賞(日本文学振興会主催)の受賞者は、宮尾登美子さん、安野光
雅さん、それに絵本作家のかこさとしさん(82)の3人でした。

宮尾、安野両氏は著名ですし、特に安野さんの絵本などは子供が小さいころ、
何冊か買ってやった記憶があります。その長い画業での作品数は膨大で、美しい
水彩画や装幀でもおなじみでした。

宮尾さんでは映画「鬼龍院花子の生涯」がすごく印象に残っています。
いまは亡き夏目雅子。生きていたら岸恵子とならぶ国際的女優として大成されて
いたはず。
大河ドラマ「篤姫」の原作も、宮尾さんの「篤姫の生涯」からですね。

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かこさとしさんのことは不勉強で知りませんでした。他のお二方でなく、かこさんが
地方紙に写真入りで大きく取り上げられているのは、かこさんが福井県武生市
(現在越前市)生まれで、8歳まで住んでおられたそうで、そのご縁ということも
あるでしょう。

作品には第1作の「だむのおじさんたち」から、「だるまちゃんとてんぐちゃん」、
「からすのパンやさん」など500点以上もあるということです。

絵本作家ですから、たとえ8歳までであっても、故郷の美しい山や川の印象が、
きっとその絵に描き込まれたに違いありません。

受賞の喜びを語られたかこさんの言葉に、あらためて子どもって大したもんだなあ、
と思う言辞がありましたので、その言葉をお借りします。

かこさんは
「子どもは自己中心的とか言われるが、超法規的な“みそっかす”ルールを発揮
して小さな子の面倒をみるなど、道徳教育の教科書を地でいくようなことをやって
のける。それは生きるという発奮、望みを抱いて毎日を送り、周りからいろいろ
摂取し、糧にしているからだと気がつくのに50年もかかった」。

【超法規的みそっかすルール】というのがいいですね。このルールこそが「イジメ」
をこれほどまでに社会問題化させないルールだったはずなんですが。

かこさんのお仕事が高く評価されたのには清々しい気持ちになりました。

横山国男

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