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2008年10月14日(火)更新

足羽三山(あすわさんざん)文化協議会

人口27万ほどの福井市。 真ん中を北と南に分けて、足羽川(あすわがわ)が
流れています。4年前には記録的集中豪雨で市内で堤防決壊、当社も僅かです
が、床上浸水しました。

坂もあまりないこの町の西寄りに、いずれも標高100mにも満たない、足羽三山
(足羽、八幡、兎越)の三つの山がポッカリと浮くようにあります。

三つの山は、点在しているわけではなく、一つの山といってもよいのですが、
谷で隔てられているので、それぞれに名前がついたのでしょう。

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古代から人が住んだこの小さな三山周辺には、多くの遺跡や文化財もあります。
また学術的にも珍しいシダ類やギフ蝶などの植生を持つことでも知られています。

市民、とりわけ私のような足羽山の下に生まれ、今日までのほとんどをこの山を
友として暮らしてきた者にとっては、単なる「小さな山」以上の存在です。

生まれ育ったところの原風景というものは、誰にとっても格別の意味を持つよう
で、「ふるさと」とか「里山」という言葉にも独特の温かい語感がありますね。

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原子(げんし)光生さんは、40年前、八幡山の麓に「時雨窯」を開いた陶芸家。
今では85歳ともなられ、足を悪くされたので特養施設におられるそう。
時雨窯の存続と足羽三山の文化を考える主旨で、「足羽三山文化協議会」が
このほど設立されました。

第1回の設立記念講演会が、市が移築・整備した“かやぶき”の古民家、(昔の
 生活用具も収集)「おさごえ民家園」の一軒、なかでも大きな「旧城地家」の座敷
で開かれました。
 (「兎越」は“おさごえ”。“うさごえ”とも読みます。)

「おさごえ民家園」 行燈の灯りでご講義

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「足羽三山文協」の事務局長は、原子さんの御子息、斎藤成也さん。
斎藤さんは51歳、今は三島市にお住いだそうですが、名刺をいただいてビックリ。
国立遺伝学研究所、総合研究大学院大学生命科学研究科、東京大学大学院
理学系研究科生命科学の、いずれも教授とあります。

87歳の南部さんに比べれば、まだまだお若いので、将来わが町から二人目の
ノーベル賞受賞者に、などとフッと想像してしまいました。

足羽三山で思いっきり遊んだ子供のころの話などをトツトツと語って自己紹介を
された後、記念講演に招いた高校時代の同級生、花園大学教授の佐々木 閑
さん(仏教学・三国町出身)をご紹介されました。

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 【仏教の現在】と題された、楽しいお話を90分。
「釈迦」の周辺から、大乗・小乗仏教の成り立ち、仏教伝来、オウムとはどういう
宗教か、までユーモアたっぷりのやさしい仏教のご講義でした。

 30名ほどの聴講者の大半が高齢の方ばかりでしたが、日曜日の午後、こういう
静かな時間を持てたのは、とても裕福な思いがしました。


横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/
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