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2007年05月22日(火)更新

観客は私たち夫婦だけ・・・名画座さん、応援します

日曜日の夜、久しぶりに福井の名画座「M劇場」へ家内と映画を観にいきました。
上映開始のブザーが鳴っても、驚いたことにお客は私たち夫婦の二人だけ。

売店で買った(初老のオジサンが窓口もモギリも売店もお一人で三役です)
飲み物とポップコンを気兼ねなくガサガサやれるのはいいのですが、「これじゃ
経費も出ないな」と申し訳ない気持ちになるのは、歳のせいでしょうか、それとも
経営者のはしくれだからでしょうか。 (夫婦割引で一人千円)


この映画館は私の子供のころからあり、古いですが清潔で福井の映画フアンに
とっても思い入れの強いところ。ずっと洋画を主に上映し、途中から非商業的な
作品も紹介してくれているいわば福井映画狂の”家”みたいなもの。
(頭の中を”ニューシネマパラダイス”のテーマ曲が何度も流れます)


観客が10人以下というのは時々ありますが、二人だけというのは初めてです。
もしホラー映画だったりしたら、横に座っている家内はトイレへ一人では行けな
いでしょう。

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肝心の映画は「クリムト」。あの画家のグスタフ・クリムトの映画ですが、これが
また難解というか芸術的というか日中のゴルフの疲れもあってときどき居眠りし
てしまいました。

ただ主演しているジョン・マルコビッチ(日本の名脇役 今福将雄さんにそっくり)
は、はじめて名前と顔が一致、ハリウッドのギャング映画などでも渋い演技で
昔から気になっていた性格俳優ですが、やはりただものではありません。

新聞に20世紀初頭のヨーロッパ画壇の異色の画家二人の映画作品上映、と
あったので観にいったのですが、次回は「モディリアーニ」。

主演はあの「ゴッドファーザーPARTⅢ」でも印象的だったアンデイ・ガルシア。
哀愁ある眼と黒い髪のあまり長身でないハンサム、秘めた情熱と静謐を同時に
感じさせて好きな俳優です。


予告編が上映されましたが、さすがと思ったのは妻のジャンヌ役のエルザ・
ジルベルスタインという女優さん、時々「ハッ」とするほどあの眼球のない「絵」
にとても似た表情をするのです。

モディリアーニの死の翌々日、お腹に新しい命を宿したまま投身自殺を図る
というショッキングな人生を送った妻のジャンヌ・・・。ピカソなども登場して
当時のパリのデカダンが映像化されるようですからぜひ観たいと思います。

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画家をテーマにした映画は結構ありますね。

古くはジェラール・フイリップの「モンパルナスの灯」、カーク・ダグラスが熱演
して確かアカデミー賞に輝いた「炎の人ゴッホ」、画家とその周辺の人物を
描いて見応えのあった「美しき諍い女(いさかいめ)」等など。

映画は素晴らしい。そういえばカンヌ映画祭で北野武監督の短編「素晴らしき
休日」も話題になっているようですね。
これも田舎の映画館での二人の男(農業の男と映写技師)の話とか。


そういえば「M劇場」の一人三役の方、「映写技師」も兼ねていたかもしれま
せん。
さらに帰り際、「私、映画に出ております、ぜひ観てください」とチラシをいた
だいたのです。

戸田博監督「十二月の空」での易者役、「春の公園」でのホームレス役だ
そうで、キャストを見ると主役じゃないですか。(ニューヨークのインデペンデント
系シネマフエスティバルに2作品ともノミネートされているそうです)
シネマなんとかで「福井をロケの舞台に」という活動もされているそうで、実は
マルチ人間、すごい人だったのです。


こういう人に今の地方の映画館や名画座は支えられているのですね。

戦後から続く映画愛好団体「福井映画サークル」の存続がピンチになって
いるとも新聞で読みました。
 
今年当社の「よさこい衣装」のご注文には、「あの、”さくらん”って映画ありま
すよね、あのサイケ調の着物云々・・」とおっしゃるお客様が結構いらっしゃい
ます。
映画「さくらん」もM劇場で近日上映、仕事の参考にもなるのでぜひ観にいく
つもりです。
そのとき”サークル存続”へのカンパもさせていただきます。

モディリアーニ   さくらん


横山国男
【オーダーよさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/
【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/

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