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2006年09月19日(火)更新

ゴルファーのスピリット

今朝、郵便受けから新聞を取ろうとしたら、バサッと
小型で厚めの封筒が落ちました。
「?」と思い、差出人を見ると「ゴルフダイジェスト社」
とあります。中は「新書」のようですが、注文の覚えは
ありません。

タイトルは「ゴルファーのスピリット」。帯に”上質ゴルフ人
の紳士道と武士道”とあり、「あー、鈴木さんの新刊だ」と
納得。「謹呈 二〇〇六年秋 著者」のシオリがはさんであり
ます。

ゴルフダイジェスト新書

「ゴルフダイジェスト新書 定価857円+税」

鈴木さんというのは、鈴木康之さんのことです。おそらくゴルフ
愛好家で、多少なりともゴルフのエチケットやマナーについて
関心を持たれたことがある人は、一度は著作を手にされていること
でしょう。

「職業」はこれもおそらく日本でただ一人、「ゴルフマナー研究家」と
自称されておられますが、往年はコピーライターの第一人者として
広告界で活躍されるかたわら、この30年以上にわたって、
「皆が気持ちよく楽しめるプレー」の普及に取り組んで来られました。

名著「ピーターたちのゴルフマナー」は、十数回の刷りを重ね、
何かとゴルフにまつわるお行儀の悪さが先達から苦言を呈される昨今、
日本人ゴルファー必読の「バイブル」といってもよいでしょう。

9月始めの週末、鈴木さんがこよなく愛し、これぞ日本の”リンクス”
と称える「古河ゴルフリンクス」(茨城県・古河市営)に、招かれて
「ピーターズクラブ・月例会」に参加してきました。
渡良瀬川の広大な河川敷に展開するコースは、ゴルフをするに
必要なものはすべて揃っており、不必要なもの、例えば豪華な
クラブハウスや、庭園、仰々しいスタッフや高級メニューなどと
いうものは一切なく、「本質・スタンダード」がここにはあります。
金田武明さんのコース設計にも感激です。


ボロい(失礼)手引きカートを引っ張り、プレーはゴルフゲームの
原型とも言うべきマッチプレー形式、お仲間には翻訳家の永井淳
さん、敬愛する”オールドマンパー”嶋口信義画伯のほんわか笑顔
も見えます。

前の組の鈴木会長は間もなく70歳というのに、きびきびとフットワーク
も軽く、小柄な人ですが大きいスイングとカッコいいフイニッシュは
さすがです。

楽しい19番ホールの席上、鈴木会長はお隣に私の席を設けてくださり、
「横山さん、冬もう一度いらっしゃい。体がよろけるほどの寒風の
中でやるんですよ。もっとリンクスらしくなって、これがまた最高よ」
とアリガタイ(!)お招きの言葉。どなたかが「鈴木さんはマゾ
ですからネ、やめといた方がいいですよ」と混ぜっ返してにぎやかな
ことでした。


新刊「ゴルファーのスピリット」を贈呈されたのにはワケがあります。
この本は「週刊ゴルフダイジェスト」で150回を超える連載「あざみの
教え」から54編を編んだものですが、そのなかの一遍「聖人君子に
あらず されどゴルファー」は、私のエピソードを書かれたからです。

あざみの教え

文中、私のことは「Yさん」としてもらいましたが、鈴木さんは「絶対
実名で。作り話と思われるから」と何度もプレッシャーをかけられました。
シャイな私は「実名はご勘弁」で押し通しました。

ここ一番でO.B.なんぞを出してもニコニコしているほど人間ができて
いませんから。聖人君子、エチケット・マナーの達人にはほど遠い
のです。

そういえば鈴木さんも「あとがき」で書いていらっしゃるじゃないですか。
「私はゴルフマナーの本は著しましたが、ゴルフマナーの師範ではあり
ません。”ゴルフマナー研究家”です。(中略)ミスショットに悪態
ついた後でも、おかげさまで『研究中でーす』とエクスキューズすれば
オッケー」と。

ゴルフ愛好家の経営者のみなさま、どうぞ本棚に一冊。あらためて
「ゴルフって素晴らしい」と思えますよ。


横山国男
http://yosakoiya.jp
http://www.echi-zen-art.co.jp