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2006年09月14日(木)更新

不易流行

明大生との毎週一問百答

・・企業経営上、「変化(適応)すべきもの」と「変化すべき
でないと考えるもの」とは何?とのご質問に対して、


私は「変化」について、ご質問の2つの項目に加え、
「変化するもの」、「変化しないもの」というのがあり、むしろ
これが前段になっているのではないか、と日頃考えています。

即ち
A-「変化するもの」、「変化しないもの」
B-「変化させるべきもの」、「変化させてはならないもの」
です。

企業経営という点で、Aについては深い観察や、洞察が
必要で、そのためにはきっと多くの読書や思索する、といった
自己啓発も要求されるのではないでしょうか。

その結果としてBの解答が導きだされてくるのではないか、と
考えているのですが、いずれにしても膨大な玉石混交の経営
情報の海のなかで、取捨選択、未来予測も含めた的確な判断を
する資質と責任が経営者に求められることは間違いないと考え
ています。

難しいのは、変化が表面的なもので、実際は本質的なものは
変わっていない、とかその逆も当然あるわけで、ホリエモン
とか村上某氏とかは、このあたりの「読み違い」があったのかも
知れない、と考えたりもします。
即ち、あまりに「変化するもの」に気をとられ、「変化させては
ならないもの」をどこかで見失ったのではないか、と。

「変化」という言葉で連想するのは、松尾芭蕉の「不易流行」という
有名な言葉です。
一般的には「不易」は変わらないこと、「流行」とは変わるもの、
うつろうことの意として、私もその程度の理解しかないのですが、
本当は芭蕉の「自然観」を表した言葉で、この二つを単純に対立
したものと捉えるのではなく、深い意味があるようで、ご質問の
解答になるヒントが隠されているかもしれません。


「流され行く」のではなく、21世紀の新しい「不易」をご自身で
発見されるとよいですね。


横山 国男
http://yosakoiya.jp
http://www.echi-zen-art.co.jp