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2008年09月17日(水)更新

「ポチッと押してね」

この「社長ブログ」を書き始めて2年、195回を終えてアクセス数が20,000回を
超えました。読んでくださる方で私が顔を思い浮かべることができるのは15人足ら
ずですので、正直なところ、どなたがどんな思いで読んでくださるのだろう、という
不安と恥ずかしさに似たものを感じるときもあります。

もちろん、アクセス数ですので実読数ではありませんが、それでも1万回を越えて
2万回になるのはすごく早かったように思います。
超人気ブログ「きっこのブログ」は、今日で訪問者数7269万あまり、それもブログ
ランキング参加の「ポチッと押してね」、すなわち実読数であり、賛同しての数字
とも言えるのですから、すごいの一語です。このくらいになると、立派なオピニオン
であり、他にも数多ある人気ブログ(芸能人などのブログを除いたとしても)が、
世論を動かすツールになりつつあると言っても過言ではない時代になったと思い
ます。

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ブログを日記としている書き手の方も多いようですが、私のカナイの父(義父、10
年ほど前75歳で亡くなりましたが)は、非常に几帳面な人で、中学生の頃から
晩年まで、大学ノートに毎日簡潔に日記をつけていました。

農林技師として満州にわたり、戦後は警察に奉職しましたが、面白いのは毎日の
昼食を記録してあるのですが、「うどん」「そば」たまに「カレーライス」が繰り返され
ていて、私の娘(孫)が大笑いしたこともあります。退職してからは、娘たちとの
花作りや小さな畑の作物のこと、「夏休みの宿題」のために毎日の天気が克明に
記されていたりもしました。

それは数十冊にもおよび、詳しくは知りませんが、家庭的には恵まれなかったの
でしょうか、幼い弟に、皇国臣民としての生き方、心構えなどを中学生時代に話す
記述や、毎日のつましい生活や遊びなどにも触れている文章は涙なくして読めま
せん。
私の長女は、義父が亡くなったとき唯一の形見としてこれを所望し、今この古い
風呂敷包みは長女の手元にあります。

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「社長ブログ」に何を書くか、いつも頭のどこかに「臆面もなく」とか、「できる人は
沈思黙考」とか「巧言令色鮮シ仁」とか、即ち「浅はかなやつ」「底の浅い人物」と
いった言葉が思い浮かぶのです。要するにくだらないことを書き散らして笑われて
いるのではないか、「いい加減にせんかい」と心ある人から思われているのでは、と。

それでも、「経営者会報ー社長ブログ」は、きちんと管理され、ブロガーの皆さんの
まじめな経営観や日常のいろいろな思いが綴られていますので、私の場合は、
通り過ぎてきた零細企業の先輩経営者としての考え方や、これからの日本人と
してどうあるべきかを、そして何より義父の日記には及ばないと思いますが、子や
孫に「私」という人間が何を考えていたのかを知ってほしい、という気持ちでこれ
からも書き綴っていきたい、と思うこの頃ナノダ。(と最後は“きっこ”風)。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2008年09月15日(月)更新

敬老・軽老・啓老。

9月15日は、正確には「老人の日」といい、「敬老の日」というのは9月第3月曜日
なのだそうです。(因みに9月15日から21日までを老人週間と呼ぶそうです)。

「働き過ぎ」というよりも、日本人の労働生産性の低いのが問題で、常々もっと自由
な休日の取り方をした方がよい、というのが私の考えです。
温泉旅館でもゴルフ場でも行楽施設は週末のみ繁忙、平日は閑古鳥が鳴く状況。
でも、設備・人員はそのままで、非効率この上ない(従って週末料金が異常に高く
なる)。このあたりの「平準化」を考えないと、有効利用につながらず、ドンドン関連
業者倒産、廃業を止められないのでは。(時代が変わったのですから、国も国民も
意識改革、ロハスな新しいライフスタイルが必要と思います)

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ところで今日は老人の日であり敬老の日、お彼岸も近いので、午前中は気になっ
ている墓石の「花立て」の修理を友人の石屋に依頼しなけばなりません。
仏壇に線香をあげて両親の写真、特に「おふくろ」を見ると、思い出すことが一杯
あります。両親とも近在の農家から街に出て所帯を構えましたが、母は学問は
ありませんでしたが、「情」の厚い人だったとあらためて思います。

子供のころ(昭和20年代)、休日などのお昼、私の横に、母子連れの「乞食」が
座って一緒にご飯を食べた記憶が何度かあります。まだ貧しい時代、母が「なん
もないけどご飯たべていきね(いきなさい)」と言って招じ入れるのです。

私は嫌だと思った記憶はありませんが、埃まみれ、垢まみれ、髪はボウボウです
から「汚いなァ」と。麦飯と味噌汁、漬物だけぐらいの粗末な食事でも、食べ終えて
何度も何度も子供にも頭を下げさせて家を出て行きました。

またある時は、唐草模様の大風呂敷に、母が使った肌着、おこし(腰巻き)、浴衣、
タオルなどの衣料や、餅、卵、果物などを包んで背負い、地下足袋を履いて2里
(8キロ)ほどの田舎道を父の親類に向かいます。

昔は老人でも死の病とされた肺病(結核)にかかると、母屋を出されて、大きな
敷地内のはずれにある農作業小屋の隅などに、莚(むしろ)を敷き、ふとんなど
一式とともに移されることが珍しくありませんでした。伝染するからということでしょ
うが、むごいことで、「おしんの世界」「昭和版・姥捨て」です。家族は食事を置くと
逃げるように母屋へ帰ってしまうのです。

母は少しも意に介しませんでした。真夏の頃なら羽釜でお湯を沸かし、タライに張
って行水をつかわせてやり、持ってきた古くはあっても清潔なものに着替えさせ、
髪を梳いてやったとのことです。汚れものを洗濯し、元気づけて帰る母に、病人は
ふとんの上に起き上がり、何度も手を合わせ、「おワサさん(母の名はワサといい
ます)ありがとう、ありがとう。悪いコトがないように願うている」と拝んだ、ということ
を後年母から聞いたことがあります。

母は昔からしょっちゅう便器も素手で洗っていましたし、ドブの中に手を入れて
ゴミを始末しました。「手は洗えばきれいになる。放っておくほうがよほど汚い」と
顔をしかめる私に言いました。病人や死人を少しも怖がりませんでした。

このような信心深い両親や、祈ってくれた人のおかげかも知れません。ぐうたらに
過ごしてきた私のようなものでも、今日までなんとかやってこれたのは。

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ともあれ、このブログを大きくなって読むことがあるかも知れない私の孫たちに、
曾祖母(ひいおばあさん)はこんな人だったんだよ、と伝えたかったので、敬老の
日の今日は書いてみました。

*「軽老」とは、最近いろいろなことで軽んじられる老人、はたまた振り込め詐欺に
 コロッと騙される軽ハズミな老人を、「啓老」は、老いをひらく(啓く)という考え方も
 これからの時代大事かな、と考えて連想した私の造語デス。


横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2008年09月12日(金)更新

「日本女子プロゴルフ選手権大会」初日を観に行ってきました。

パンフレット 表紙

「第41回日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」11日から4日間ー
片山津GCの初日を、昨日観戦に行ってきました。

快晴で気温28度、初秋の片山津GCは、美しい松林を吹き抜ける日本海から
の微風の中、国内屈指の難コースに、131名が今年の「女子プロ日本一」を
決める熱い戦いを繰り広げています。

片山津は90ホール(18ホールコースが5つ)という、関西以西では横綱格の
歴史あるゴルフ場ですが、中でも「白山コース」は、名アマチュアプレーヤー
だった佐藤儀一(広野GC)が設計した、松と深いアリソンバンカーに囲まれた
小さな高い砲台グリーンが、プロ、アマを問わず、技量だけではなくゴルフが
知的ゲームであることを思い知らされる名コースです。(ゴルフ好きの方には
ぜひ挑戦をおすすめします)。

4年前には男子の日本一を決める「日本オープン」も開催されましたが、4日間
で確か2アンダーしか出させなかった(優勝谷口徹)ことは、当時主催者である
「日本ゴルフ協会(JGA)」の委員として、またメンバーとして私のゴルフ人生の
エポック的出来事として永く思い出に残ると思っています。

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ご縁があって、藤田幸希プロの福井後援会を結成したのが昨年の4月。家族
同志お付き合いのあるTさんの呼びかけで、お揃いのターコイズ色のTシャツ
を着た30人ばかりの応援団が熱心に各ホールをついて歩かれたようですが、
私は所用で昼には会社へ戻らねばならなかったし、ひざの具合が悪いカナイ
もいたので、7、8、9の3ホールが見渡せる松の下のラフに腰を下ろして観戦。

初日のペアリングには、福井出身の親友の娘さん山岸陽子さん(1勝)が同組
なので楽しさも倍加しました。陽子さんもすっかり中堅プロの風格になりましたが、
15年ほど前、プロ合格のお祝いのコンペで挨拶した初々しい「元気ハツラツ娘」
を思い出し感慨深いものがありました。


会場では、懐かしい人にも何人かお会いしました。ホール間を移動しているとき
「あら、横山さん」と声がしたのは、奈良の杉本真美プロ。
樋口会長の米国遠征時代とは少しあとになりますが、岡本綾子全盛時代、
小柄ながら「ヨーロッパツアー」で単身戦っていた海外遠征組の草分けのお一人。
早くも5年ほど経ちますが、セント・アンドルースなど10日間スコットランドを案内
してくださいました。相変わらずチャーミングで元気いっぱいの笑顔。
このあと午後の部のスタート係のお役目があるので、とテントの中へ。

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今朝、LPGA(日本女子プロゴルフ協会)のホームページで、昨日のスコアを確認
すると、トップは実力者、今最も強いと思われる、韓国の辛?周(シンヒョンジュ)
選手。一押しのプロ根性を持つ上田桃子選手が2位。(カナイが会場でTさんから
桃子さんのお母さんを紹介されたそうですが、選手の家族も多く一生懸命です)。
多くの若い男性フアンを引き連れていた、人気急上昇の原江里菜選手が3位と
なっていますが、あの「白山」を5アンダーで回る辛さんには驚かされます。


我々注目のお二人、藤田、山岸両プロは仲良く4オーバーで49位タイ。
先週の「ゴルフ5レディス」で3勝目を挙げた藤田幸希さんは、前日からの突然の
蕁麻疹(ジンマシン)で、指などが腫れて体調がよくないとのTさん情報。
優勝すると、スポンサー筋そのほかいろいろと行事があり、まして夏をすぎたあたり
から疲れがドッと出る時期ですので、胃腸にも気をつける必要があります。
ただゴルフはどこか不自由な部分があっても、それを意識して無理のないスイ
ング、頭脳的戦略で勝利をつかんだ例も多いのです。

超難関コース「白山」は無理をしないことが勝利への近道と私は思っていますので
まだまだ期待しています。


横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
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2008年09月10日(水)更新

『癌だから死ぬのではない。

生まれたから死ぬのである。すべての人間の死因は、生まれたことである。どこか
違いますかね』(「人間自身 考えることに終わりなく」 池田晶子)。

特に若い人に「本質」を考えることの面白さ、生きることの大切さを分かりやすく、
そして「哲学」というものに無縁だと思っていた私のような老生に「エッ?」と思わせ
てくれた池田晶子さんも、47歳でその癌に倒れてから一年半あまり。

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今日は、37年前、私たち夫婦の「仲人」をしてくださったIさんの告別式に行くのと、
涼しい初秋の朝ということもあって、池田晶子さんのことがフッと頭に浮かびました。

『便利なことは無条件でいいことだと、現代人は思い込んでいます。手間が省ける、
時間が省ける、目的地に早く着く。つまり時間が短縮できるということが、現代人に
とっての価値なのです。時間というのは自分の人生の時間です。現在の時間を
節約することで、将来にそれが貯蓄できるといった感覚なのでしょう。
しかし「将来」なんてものは、どこにも存在していない。現在幸福である以外に、
幸福であることはあり得ない
。(「暮らしの哲学」)

「思い込み」や「固定観念」が人間を不自由にするのです、と池田さんは教えてくれ
たような気がします。

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 高く美しい空、美味しいもの、そして読書の秋も近いですね。
    「生かされている」ことに感謝したいと思います。


横山国男

【染型工房 横山工藝】
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2008年09月08日(月)更新

「大統領選」と「首相選」・・あまりの違いに。

民主主義を守る、人権を守る、そのほかいろいろの理由をつけて(自国の)、世界
のあちらこちらで紛争に介入したり、時には大きな犠牲を払う結果になろうとも、
大国の面子にこだわっているように見える米国。

私のような普通の日本人から見ても、昔憧れたような国ではなくなったような気が
しますが、それでも大したものと思う一つは「アメリカ大統領選挙」です。
民主、共和両党のまず候補者指名を得るための、長い期間、広い国土での活動
に驚かされますし、その間、国民の関心はいやが上にも盛り上がります。

大統領に選ばれるまでの仕組みは結構複雑なようですが、それでも両党とも候補
者が決定し、副大統領の指名も終わりました。
正副候補者本人はもとより、家族のプライバシーまで白日のもとにさらされ、とても
ではないですが、並みの神経ではもたないだろうとさえ思わされます。

しかし、これが大統領になるための試練であり、選挙戦を通じてあらゆる問題に
対する解答を用意し、相手陣営からの攻撃に耐え、時には切り返していくことで
成長し、言葉を選ぶことや演説もうまくなり、何より多くの支持者と世界のメディア
を前に何度も「自分こそ大統領にふさわしい」と繰り返すうち、「覚悟と確信」に満ち
た、大統領に「成って」いくのでしょう。

「アメリカ合衆国」の素晴らしい点の一つだと思います。

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政治に詳しくないですが、一日本国民として考えても、最高責任者「日本の首相」
が選ばれる際、「禅譲」とか「密室での決定」とか、時には「棚ぼた」などと評され
るのは本当に違和感があります。マスコミなどにも責任があるような気もしますが、
真剣に国の将来を考えてこなかったと思われる、多くの我々国民の責任が一番
大きいのではないかと思うと同時に、山積する問題を前に、「逃亡」するくらいなら
初めから引き受けるべきではないのでは、と彼我の「覚悟」の違いに暗澹とします。

この7~8年の間に、何度か台湾へ旅行するうち、現地旅行会社のKさんという人
と仲良くなりました。敬虔なクリスチャンで台湾でも有名な大学を卒業したインテリ
でもあります。
バスの中で、自身の軍隊の経験(台湾には徴兵制があります)をユーモアを交えて
 話してくれましたが、驚いたのは台湾には「米軍基地」はありません、という一言。

横にいた初めて同行した私の友人が、「日本は米軍基地だらけ、どっちが立派な
独立国かわからんね」と言われたのが印象的でした。こんなことも知らなかった私
のような者が多ければ「立派な国家」になりようがありません。

「二度と刃向わぬよう」・・その恐怖から徹底的に日本的なるものを解体し、制度を
作り変えた占領政策でしたが、「大統領制度」を持ち込まなかったのにはどんな
理由があったのでしょうか。天皇を象徴としての元首として残す決定と何か関係が
あったのか、情報公開が進んでいますので、解かる日がくるのかも知れません。

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翻って、平たく言えば「首相」とは、一家で言えば「お父さん」。会社で言えば「社長」。
( ウーン、責任重いですナ。)
首相ともあれば、あらゆることにおいて「私」はあとまわし、「公」に身も心も捧げる
覚悟でその重責を果たしてこそ「国父」という言葉もある所以でしょう。

辞意を表明して数日もたたないうち、奥様とデパートに買い物に行き、帰りは高級
中華料理店に入る、あるいはその前の首相だった人もいろいろな場所で、今更の
「持論」をお話になっているのをネットなどで見聞きすると、まだまだ余力があった
のでは・・と、つい考えたくなるこの頃です。

中小零細企業で「どなたか適任の方にあとはよろしく」なんて言えたらこんなに楽
なことはありません。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
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