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2008年03月11日(火)更新

“ちりとてちん”、“OBAMA”の「小浜」

NHK朝の連ドラ「ちりとてちん」も最終章に向かって、大団円の雰囲気に
なっています。視聴率も高かったようで、舞台になった一つ、福井県小浜市
も、お陰で知られることになったのは、素直に県民の一人として、またカナイ
(家内)の生まれたところでもあるので、少々感慨もあるこのごろです。

福井県は福井市のある北部(嶺北)の越前、南西の、もう京都と滋賀に
隣接している、南部(嶺南)の若狭の地方に分かれますが、嶺南の敦賀、
特に小浜は、ほぼ京都など関西の文化圏と言ってもよいところです。

言葉もそうですし、人柄もセカセカしたところがなく、いわゆる「まったりした」
とか「雅」をも感じさせる土地柄。
町名も住吉、貴船、飛鳥、大原、竜田など京や奈良を連想させ、歴史の
繋がりもあることから、「海のある奈良」ともいわれてきました。
古くは大陸や朝鮮半島との交流・交易、近世は「北前船」の重要な寄港地と
して栄え、国宝、それに並ぶ「神社仏閣仏像」の宝庫でもあります。

また、世阿弥が佐渡へ遠島に処せられる際、小浜に数年滞在し、「能」を
広めたことも。

10日ほど前に若狭神宮寺(文字通り神社と寺の合体形式)から、奈良へ
通じているとされる「若狭井」の水を送るーーお水送りは、今日にも「お水
取り」として、韃靼の秘儀と松明が二月堂の回廊を巡る、天平時代からの
行事で、古都奈良に春の訪れを告げます。

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さらに振って湧いたようなアメリカの大統領選でOBAMA氏が有力な民主党
候補として連日日本でも報道されるようになって、小浜市に「勝手に応援する
会」みたいなものができて、内外のメディアにまで登場するようになりました。

単なる語呂合わせで、いささか「悪乗り」みたいにも私には思えましたが、
近年は原発以外にこれといった産業もなく、疲弊していく地方の有様も少し
感じられないわけでもありませんでしたから、注目されることならなんでも
「町おこし」に利用したい、という市長さんや住民の切迫感を笑うことはでき
ません。

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「小浜」はとても良いところ。
海と山、森と川に恵まれ、リアス式の海岸ながら風光は明媚で優しく、27号線
をさらに西へ走ればやがて「天橋立」(京都)。
最近は近江(滋賀)の「仏像めぐり」が人気ですが、もうちょっと足を延ばせば、
すぐ小浜です。沢山の柔和な「天平仏」に会うこともできます。

30数年前、カナイと結婚したころは、秋は「放生会(ほうぜえ)」の祭りを楽しみ、
春は桜、夏は濃い緑の中を自転車で寺社を廻ったことが懐かしく思い出されます。


横山国男
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