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2008年10月20日(月)更新

石川遼クンに見る「スーパースター」の資質。

土曜日の朝、うっかり階段を3段ほど踏み外し、大したことはないと思っていた
のですが、夕刻になっても右足の指先が腫れて痛いので、近くの懇意の整形医
に行きました。

レントゲンで見ると、薬指、中指に小さな剥離骨折があり、全治一か月とのこと。
アルミ板の副木をあてていただいたので、歩行はなんとかできますが、しばらく
不自由な生活をおくる羽目になりました。

それにしても簡単にバランスを崩すようになったなあ、と年齢を実感させらました。
しかし「いや、いや この程度で済んでよかった」と、分別くさく自分を慰めるのも、
また老いた証しのような気がして抵抗を感じるものです。

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そんなことで日曜日の取引銀行のゴルフコンペは、絶好の天気でしたが、急きょ
欠席させてもらって、午後からTVで「日本オープン」をじっくり観戦。

すでに私には後景となってしまった、まぶしいほどの若さを感じさせてくれるのが、
2位に入った石川遼クン。
17歳ですが、持っているものは天性のゴルフの才能だけではないようです。

ルックス、ファッション、インタビューでの話し方や声質、しぐさや笑顔がいずれも
絵になる現代のメディア向き。 女子では宮里藍さんにも似たものを感じます。

長嶋、王、イチローに次ぐスポーツ界から久し振りの国民的人気を持つスターが
生まれつつある予感がしました。
それは早くもコマーシャルへの露出の多さが証明しています。
石川遼クンへの各社のアプローチは、今後さらに激しさを増すことでしょう。

ゴルフでは、青木、尾崎、中島(AON)、岡本綾子などもスターだったと思います
が、この人たち、たとえば尾崎などのコマーシャルへの登場はきわめて少なか
ったように思います。

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優勝した片山晋呉は独自のスタイルでここまで来た人という感じ。35才で7人目
の永久シードの25勝を挙げたのには並々ならぬものを感じさせます。

ゴルフに対してきわめてストイックで、練習と研究熱心ではこの人の右に出る者は
いない、というのが定説ですが、あの独特のテンガロンハットと不思議なネックレス
のスタイルは、ゴルフ行者のようで残念ながら少し華がないように思います。

プロ転向したとは言え、遼クンはアマチュアのお父さんが10年ほど指導したに
すぎません。
まだジュニア年齢の遼クンが、プレッシャーを楽しみながら自分をおびやかす
位置にきてしまう、という現実に、片山選手は苦笑しているかも知れません。

また苦節○十年、ようやく夢のツアーに出られるようになったプロも数多くいます。
彼らが石川遼クンの多額の契約金におだやかでない気持ちを持ったり、最近で
は心ない言葉を吐くシーンもあるとか聞きますが、私にはわかるような気もします。

しかし、一流選手のほとんどが苦しんだ、今回の日本オープンの超難関コースを
軽々とクリアした石川遼という“少年”に尊敬すら感じはじめているのでは。
自分たちの世界にタイガー・ウッズが生まれつつあることを、素直に誇りに思う
ようになって欲しいと思います。

第一、当人の遼クンはこれらの雑音をうまく処理し、時にはそれをエネルギーに
置換する才能まで持っているのでは、と感じました。
タイガー・ウッズなどを見ていても「スーパースター」に必要な資質です。

戦う舞台をアメリカに移す日もそう遠くないかも知れません。


横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2008年10月19日(日)更新

「君を幸せにする会社」を読んで。

何をもって「幸せ」というかは、人それぞれ違うのでしょうが、「幸せになりたい」と
世界中全ての人が願っている、もっと言えば、人だけでなく生きとし生けるもの全
てがそう願っているに違いありません。

「君を幸せにする会社」(天野敦之著・日本実業出版@1300)を読みました。
本書を書かれた公認会計士の天野さんは、「真善美」メルマガでもおなじみです。
久米信行さんもご推奨の一冊です。

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クマ太郎、プー太、コン吉など寓話の形をとった物語に引き込まれました。
例によって「あとがき」を読み返していますが、多くの心に残る文章がありました
ので、その一部を。

『物語のなかでクマ太郎が悩んでいたように、みんなががんばって利益を追い
求めているのに、みんながますます不幸せになっています。何かが根本的に
おかしいのではないかと多くの人たちが感じています。
こうした問題の根底にあるのは、「利益は創造した本源的価値の対価である」と
いう真理を、多くの人たちが忘れてしまっていることにあると思います。
本源的価値とは、お客様を幸せにし世の中をよりよくすることです。つまり企業
の利益はお客様の幸せの対価だということです。』

『しかし、現実には、多くの企業が、自ら本源的価値を生み出すことなく、お客様
をだますなどして他者から利益を得ようとします。
そのようにして一時的に利益を得ても、結局は損失となって還ってくるだけです。
企業が、継続的に利益を得るためには、自分たちのよさを活かした、自分たち
ならではの本源的価値を創造するしかないのです』

『しかし本源的価値を創造するのは、口でいうほど簡単なことではありません。
自分の利益のために無理にお客様を幸せにしようとしても、それはすぐにお客
様に伝わってしまいます』

・・・引用はここまでにしますが、その解決のカギは「まず自らが幸せになること」
とあり、全てが感謝の対象になる、私たちはついないものに目をむけてしまうが、
あるもののほうが圧倒的に多く、幸せになるために必要なものはすべて与えら
れているのですよ、と著者はおっしゃいます。

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折しも「世界金融危機」「地方経済衰退」のさ中、良書に出会いました。
ご一読をお薦めするしだいです。


横山国男

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2008年10月14日(火)更新

足羽三山(あすわさんざん)文化協議会

人口27万ほどの福井市。 真ん中を北と南に分けて、足羽川(あすわがわ)が
流れています。4年前には記録的集中豪雨で市内で堤防決壊、当社も僅かです
が、床上浸水しました。

坂もあまりないこの町の西寄りに、いずれも標高100mにも満たない、足羽三山
(足羽、八幡、兎越)の三つの山がポッカリと浮くようにあります。

三つの山は、点在しているわけではなく、一つの山といってもよいのですが、
谷で隔てられているので、それぞれに名前がついたのでしょう。

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古代から人が住んだこの小さな三山周辺には、多くの遺跡や文化財もあります。
また学術的にも珍しいシダ類やギフ蝶などの植生を持つことでも知られています。

市民、とりわけ私のような足羽山の下に生まれ、今日までのほとんどをこの山を
友として暮らしてきた者にとっては、単なる「小さな山」以上の存在です。

生まれ育ったところの原風景というものは、誰にとっても格別の意味を持つよう
で、「ふるさと」とか「里山」という言葉にも独特の温かい語感がありますね。

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原子(げんし)光生さんは、40年前、八幡山の麓に「時雨窯」を開いた陶芸家。
今では85歳ともなられ、足を悪くされたので特養施設におられるそう。
時雨窯の存続と足羽三山の文化を考える主旨で、「足羽三山文化協議会」が
このほど設立されました。

第1回の設立記念講演会が、市が移築・整備した“かやぶき”の古民家、(昔の
 生活用具も収集)「おさごえ民家園」の一軒、なかでも大きな「旧城地家」の座敷
で開かれました。
 (「兎越」は“おさごえ”。“うさごえ”とも読みます。)

「おさごえ民家園」 行燈の灯りでご講義

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「足羽三山文協」の事務局長は、原子さんの御子息、斎藤成也さん。
斎藤さんは51歳、今は三島市にお住いだそうですが、名刺をいただいてビックリ。
国立遺伝学研究所、総合研究大学院大学生命科学研究科、東京大学大学院
理学系研究科生命科学の、いずれも教授とあります。

87歳の南部さんに比べれば、まだまだお若いので、将来わが町から二人目の
ノーベル賞受賞者に、などとフッと想像してしまいました。

足羽三山で思いっきり遊んだ子供のころの話などをトツトツと語って自己紹介を
された後、記念講演に招いた高校時代の同級生、花園大学教授の佐々木 閑
さん(仏教学・三国町出身)をご紹介されました。

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 【仏教の現在】と題された、楽しいお話を90分。
「釈迦」の周辺から、大乗・小乗仏教の成り立ち、仏教伝来、オウムとはどういう
宗教か、までユーモアたっぷりのやさしい仏教のご講義でした。

 30名ほどの聴講者の大半が高齢の方ばかりでしたが、日曜日の午後、こういう
静かな時間を持てたのは、とても裕福な思いがしました。


横山国男

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2008年10月12日(日)更新

これもまやかしだった?「企業価値」という言葉。

昨夜(11日)、夜8時からのNHKスペシャル「緊急生放送・国谷裕子アメリカ発
世界金融危機の深層に迫る」を見ました。

抑制の利いた内容で、サブプライムとか証券化など、もう一つよくわからない私
にも「何が起きたのか、これからどうなるのか」・・・頭がすっきりしました。

それにしても「クローズアップ現代」でおなじみの国谷さんというキャスターは素晴
らしいですね。 「クロ現」を2日ほど休んで、急きょNYへも取材に飛んだとか。
この人を目指すような女性が多くなれば、日本の未来も明るいと思います。

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ところで頭がすっきりしたといえばもう一つ。
「企業価値」という言葉について、読ませてもらっているブログ「世に倦む日日」
さんが、最新号で下記のようにバッサリやってくれて、胸のすく思いがしました。

<引用始め>
『この1週間の株の下落で東証の時価総額は2割消えたと報じられている。
企業価値とは1週間で2割も消滅するものなのか。工場が災害に遭ったわけでも
なく、経営者が死んだわけでもなく、同じ製品を同じ従業員が製造して販売して、
売上も同じ水準を維持しながら、1週間で2割も企業価値が下落するのは何故
なのか。その企業価値とは一体何なのだ。(中略)

1970年代には「企業価値」などという怪しげな概念はなく、そのような言葉を
企業の目的として言う経営者もいなかった。経営者たちは、よい製品を作って
社会に貢献するために企業を経営していた。本田宗一郎も松下幸之助も井深大
も。 「企業価値」なる範疇が「金融工学」と同じく全くのまやかしの範疇であった
真実が世界同時株安によって証明された。
「企業価値を高める」ための経営はなくなる。企業にとっての株式は自己目的で
はなく、単に資金調達の手段でしかなくなる。        <引用終わり>

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上場などとは無縁の零細企業経営者の私にとって、あえて「企業価値」という言葉
を使うなら、BS/PL(数字)に表出しない、社長やスタッフのキャラクターや企画力、
企業も良き社会の一員であるべきとする経営理念、のれんや信用などのいわば
企業文化力、オフバランスシートこそ本来の「企業価値」ではないかと、常日頃考
えているのですが。


横山国男

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2008年10月10日(金)更新

母校(高校)からノーベル賞受賞者が出ると

福井市の名誉市民である南部陽一郎さんが、ノーベル物理学賞を受賞された
ニュースは、他の地方都市同様、ちょっと疲弊感の漂う昨今のわが町に明るい
話題をもたらしました。地元紙も連日関連記事を載せています。

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1901年から始まったノーベル賞は、2007年までに777名の個人、20の組織
に与えられています。
うち日本人の受賞は今年の4名を入れて、物理学賞7名、化学賞5名、生理学・
医学賞1名、文学賞2名、平和賞1名の16名です。(経済学賞は0)。
ただし南部さんは米国国籍をとられています。
 (また87歳の南部さんは最高齢受賞者のお一人です)。

米国国籍といえば、国別ではやはりアメリカがすごく、300名を超えていますから、
超大国(だった?)の面目躍如、世界中の優秀な学者にすぐれた研究の環境を
提供してきた成果と言えるのではないかと思います。(この項Wikipedia参考)

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ところで、南部さんは旧制福井中学(藩校明道館=現県立藤島高校)の卒業生。
うちの小4の孫が「お母さんが卒業した学校だって言ってた」と、先日話してくれた
のは、きっとその話題が出たのでしょう。
私の卒業した工業高校も私が入学した年から分離しましたが、2,3年生はこの
学校の工業科に通っていましたので、校史に含まれています。

確かに、全国数千の高校の中で、16名しかいないノーベル賞受賞者の卒業生が
いるのは誇らしいことに違いありません。昔なら“提灯行列”ものかも。
県内有数の進学校ですが、娘は美大へいった変わり種。補修も受けられず、金沢
の画塾へ一人通っていたことが昨日のことのように思い出されます。

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昨日、二人の孫(9才と5才)に手紙を書きました。それは今年の夏休みに二人を
連れ、カナイと4人、シカゴ・ボストンを在米の次女夫婦とともに旅したことについて
です。

南部さんはシカゴ大学、下村さんはボストン大学のそれぞれ名誉教授。
偶然ですが「お前たちが行った所で研究をしている偉い先生だよ。勉強しなきゃ」
と冗談半分にハッパをかける文章を書いて「話してやって」と娘に渡しました。

夏休み中のMITやハーバードのキャンパスにも行きました。
何もわからないでしょう。「古いね、きれいだけど」くらいです。
でもそれでいいのです。世界は広い、勉強している人がたくさんいるんだ、と
どこか頭の片隅に残ってくれれば・・が私の目的でしたから。

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それにしても、学問とか研究とかのモチベーションになっているのは「夢」とか
「ロマン」なんだなあ、とあらためて思いました。
南部さんはインタビューで、何度も、少年時代福井の野山を駆け回ったことを話さ
れているのも印象的でした。

「好き」がキーワード。
文化勲章を受章した福井出身の白川静さん(文字学)のエピソードに
 「あ、そろそろ昼飯食いに行かなきゃ」と思って窓の外を見ると、真っ暗だった、
なんて話も心に残っています。

邱永漢さん(Qさん)も言ってました。「一日に30回も時計を見るようじゃ、
 今の仕事で成功はおぼつかない」と。

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 ところで、我が家の未来のノーベル賞候補2名はどうしているかな、と覗くと、
「ヨシッ、コイツーゥ、イケ~ッ、ヤッタ~~」と、30分だけ許されているDS(ゲーム)
に身も心も奪われている真っ最中。

・・・これじゃ「ノーベル賞」どころか「脳減る症」になりかねないナ。

横山国男

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