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2007年11月13日(火)更新

母校創立100周年でお手伝いさせて頂いたことは

明治政府はその終り頃、国威発揚、真の国力
の増勢のためには、広く国民の教育水準
を上げる必要性を痛感したのでしょう、全国に高等教育を受けられる設備、制度の充実に
力をいれ、特に各県で「産業教育校」が多く設置されたようです。

私の卒業した福井県立科学技術高等学校(卒業時は福井工業高等学校)も「福井県工業 講習所」の創立から100年経ち、先週末「記念式典」を行いました。
先日、甲子園の常連校「福井商業高校」も100周年でしたし、ここ数年の間に県立校の多くが100周年の記念日を迎えていることを考えると、全国でも同様かも知れません。

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5年前に「100周年記念事業実行委員会」が立ち上げられ、多くの委員会が出来
ましたが、私に委嘱されたのは「中国交流」「記念モニュメント建設」の委員長でした。

現在機械システム、化学システム、テキスタイルデザイン、電子電気、情報工学
の5学科で、教職員80名、生徒500名、この100年間の卒業生は15,000名余
にものぼり、良質の産業人育成と地場産業の形成、戦後は高度成長を支えた
主役の一つであったことは間違いありません。

しかし、寄付集めは難航しました。 理由はいろいろ考えられます。
校名が9回変更になるほどの学制の改革(統合・分離)からくる母校意識の希薄
化、地場産業の衰退、地域経済の疲弊、先述の100周年記念校が多いことなど
など、最終的には 当初見積もりの半分で事業を行わなければならなくなりました。

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「中国交流」というのは、記念事業の目玉として、紹興市の「職教中心」という産業
教育高等学校(生徒数4500名)と姉妹校提携を結び、以来交互に職員・生徒の
相互訪問を行い、昨年は私も委員長として「100周年記念式典への出席招請」に
夫婦で紹興へ行ってきました。

今回は副校長はじめ職員、生徒10名が先日から来校し、「交流授業・式典出席」
を終え、 今日あたりはエクスカーションとして京都の深まる秋を楽しんでいるはず
です。

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「記念モニュメント」は、電波時計とか、生徒による壁画の制作などの案が学校・PTA・同窓会で組織する委員会で出ましたが、私のロータリークラブでの経験から、機械ものは将来必ずメンテナンスで出費が嵩むこと、セラミックタイルなどによる
壁画など も校舎の増改築にともない取り壊さざるを得ないケースがでてくるのでは、という意見も出て、月並みですが「石碑」とすることに決定しました。

しかし、実行委員会が開かれるたびに、寄付状況の進展報告があり、「記念モニュ
メント建設予算」が減額されるのには参りました。

最終的には三分の一ほどになってしましいましたので、委員会のみなさんに
「出来るだけシンプルなものを」「材料に高額なものを使わず、内容で勝負」「生徒・職員のいつも目に触れる場所で、見るたびに元気が出るものを」、と提案し、了承
を得ました。

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これが我が母校「100周年記念碑」です。


石碑


高さ2m40c、石碑部分の幅1m35c、単体の重量では大型重機が入れず、地耐
力の関係から、石碑(桜御影石)を2枚の石板に分け、4個の石柱でつないだデザ
インは、従来よくある高価な自然石利用のものよりモダンになったとチョット自賛し
ています。

でっかく「飛翔」の文字は友人の書家の吉川壽一氏、相談の上スクールカラーでも
ある 「青」を文字の中に入れることにしました。(背面はシンプルに校名の変遷・
年号のみを沿革として彫りました)
このような予算では大変だったと思いますが、工事も中学時代の旧友「M大理石」
の専務重ちゃんが太っ腹で引き受けてくれました。本当にありがとう。

全学年が入っている3回建ての校舎から真正面に見え、除幕したあと生徒・職員・
来賓 から感嘆の声が上がって、苦労が報われた気がしました。

21世紀、次の百年に向かって大志を抱き、「飛翔」して欲しいものです。


横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2007年11月09日(金)更新

知らなかった「赤福」のもう一つの顔。

「賞味期限の捏造、売れ残りの再利用などとんでもない」「いや、だれもお腹が痛く
なったとは聞かない」・・・ここのところ食品業界に次々に起きている問題で例に
よってマスコミのバッシングから擁護するお父さんの応援まで日本中大騒ぎです。

いずれ「耐震偽装」の問題に懲りて、建築基準法が現場を無視して厳格化され、
「建築確認申請」の処理が進まず、このままでは中小工務店などの倒産が一気
に増えるのでは、と懸念される事態が食品業界にも及ぶかも知れません。

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偶然ですが、「1993年M&T総合センター情報【各地の話題】」というインターネット
の記事にぶつかりました。

 あの「赤福」が、国道の付け替えで疲弊した伊勢神宮の門前町「おはらい町」の
町並み整備に平成元年からの5年間に伊勢市に総額5億円を寄付、さらに赤福
が音頭をとって、食事や買い物をしてもらうために魅力的な一角をその中心部に
作ろうということになり、中核施設「おかげ横丁」の構想を実現したと。

すごいのは診断してもらった建築家の清家清氏から、「伊勢造り」で町並みを統一
するなら、赤福の4階建てのビルが一番美観を壊していると指摘され、潔く本社ビ
ルを取り壊すことに決め、この跡地に目玉ゾーンを造ったことです。

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『赤福がおかげ横丁の事業に注ぎ込んだ経費は総額100億円以上。実に当時
の年商に匹敵する額である。プロジェクトが持ち上がった時、会社の財務を担当
していた平居氏は、7年間で借金を返済する計画を立て、社内に説明した。この
まま手をこまねいていては、おはらい町にある本店も衰退するばかりだという
危機感が全社的にあり、開発自体には特に反対の声は上がらなかったが、巨額
の借金を背負い込むことには危惧が強く、スタッフは綿密な計画を立てることを
迫られた。』(同サイトから引用)

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地権者60人一人ひとりに対する不動産業者を介さない、自社だけでの買収活動
を展開し、成功したのは率先して自社ビル解体、跡地提供の英断があったれば
こそでしょう。

目論見どおり、官民一体となって年間600万人の参拝観光客を、再生した「おは
らい町」「おかげ横丁」に回遊させることに成功、廃業寸前の各お店も息を吹き
返し、赤福の借金も平成12年には完済したようですが、全国各地のシャッター
通りの起死回生になかなか妙手がないといわれる現代、なんともすごい話ですね。

それにしても「無期限の営業禁止処分」とは。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
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2007年11月06日(火)更新

ホセ・カレーラスを聴きました

3日(文化の日)金沢の石川県立音楽堂で三大テノールの一人「ホセ・カレーラス」を
聴くことができました。(10・31東京、11・10大阪)
確か3ヶ月ほど前にチケットを買いましたが、この間にパヴァロッティが亡くなりました。

オペラが大好き、オペラに詳しいという方は大勢おられますが、地方に住んでいると
オペラの公演などは極めて少ないもので、私のオペラ原体験は、中学生のころ、
「労音」で市の公会堂で見た(聴いた)藤原歌劇団の「椿姫」(主演大谷きよ子)
だったと思いますが、その後ほとんど鑑賞の機会がないまま今日に至っています。

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それでもあの「ルチアーノ・パヴァロッティ」の魅力はすごいものがあって、いつかCDも
買い、TVのワールドカップ「三大テノール」公演、トリノ冬季五輪の「トゥーランドット」
の歌唱など印象的でしたが、残念ながら今年の9月6日亡くなってしまい、カレーラス、
プラシド・ドミンゴとの「三大」は崩れてしまって、テノールの一つの時代が終わったと
いう方もおられます。

私の尊敬するブロガー(ご趣味は声楽)によりますと、ルチアーノはあの立派な体格が
楽器となってハイCといわれる高音も余裕をもって、しかも美しい声で歌える稀有の
テノールなんだそうですが、私はオペラのアリアより、彼の「カンツォーネ」の方が大好きな
一人です。(3日は東京芝・増上寺大殿内で”パヴァロッティ追悼公演”も行われたようです)

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「ホセ・カレーラス」を一口でいうと、「端正」だと思いました。

ドミンゴと同じスペイン生まれのようですが、見た感じでも三人三様でそこがまた魅力
だったのでしょう。

「ベル・エポック」と題したプログラムで20曲近く、言葉が分かりませんが、「端正」な
声とスタイルで魅了し、満員の聴衆から「スタンディングオベーション」のアンコールが
ナント4回も繰り返されて素晴らしいコンサートでした。

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先ほどのブロガーさんから、「音楽は生で聴くに限ります。生だけが音楽という考え方も
出来ます。よく料理などで手作りを評価しますが、それと相通じる面があります」と
教えていただいて、出来るだけ多くの生で聴く機会をこれからも得たいものと再認識した
一夜でした。

チラシ

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
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