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2008年03月31日(月)更新

今日は大晦日・・決算書(月次、年次)の小さな工夫。

当社は3月決算ですので、今日は日常生活でいうなら大晦日にあたる決算日です。
社長は一年を通して経営を考えることが大事と言われますが、それとて毎月の
月次決算の集積です。

3年前、新しくお願いした会計士さんに、いくつか私からお願いをしました。
それまで27年間毎月立派なコンピュータ会計の分厚い資料を眺めてきましたが、
もとより財務や経理は素人なので、膨大な数字の意味するところをあまり理解でき
ていたとはいえません。

また、忙しさにかまけて毎月の「月次決算」が遅れ勝ちでした。新しい会計士さん
から「仮に半期(6ヶ月)すぎて、赤字が出ていることが判明しても、残り半期でそれ
を取り返すことが主目的になるのでは、これは計画的な経営とはいえません。
月次決算を出来るだけ早くやり、次月にこれを活かしていかなければなりません」
・・要するに傷は浅いうちに修復せよ、ということでしょう。

確かに当社のような業態(加工)では、月末や期末に突然大口のオイシイ仕事が
入ってくるなどということは少なく、また仮にそのようなことがあっても対処できま
せんから、毎月気をゆるめずに頑張る他ありません。

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そこで月次決算の「真水(本当の利益)」を知るため、特別な月に発生する経費を
各月に分割して引き当てることにしました。(消費税、地代、賞与、教育・研修費
など)私の場合はこれでずいぶん分かりやすくなりました。

さらに先日若くて気鋭の担当税理士さんとの打ち合わせで「社長はBS、PLのこの
数字をしっかり見ておくべき」という項目をいくつか絞って作表していただけませんか。
今後3年間はグラフ化もして推移もわかるようにして欲しい、とお願いしました。

早速、「試算表・財務データ分析のツボ」(当社版)が送られてきました。当社版と
いうのは私がつけたのですが、業種それぞれに利潤の上げ方に特殊性があり、
この辺が一般的な経営書ではカバーしきれていない、と私は考えていますので、
新税理士さんにはこの3年間で当社の業態・業務・資産構成などをほぼ掴んで
いただいたのではないかと思いましたのでお願いしたわけです。

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企業経営はつまるところ、「成長性」と「安全性」のバランスではないかと思って
います。
零細な企業にはますます厳しい環境を覚悟せざるを得ませんが、常に自社の
本当の姿を目をそらすことなく見つめていきたいと30期の決算日にあらためて
決心しました。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2008年03月28日(金)更新

佐藤卓さん(グラフイックデザイナー)から学ぶ。

前回ブログの続きとして、

「そもそもデザインするってどういうことなんだ?」・・グラフイックデザイナー佐藤卓
氏のプロフィール、持論を情熱大陸のウェブサイトから覗いて見ました。

佐藤さんは51歳、東京藝術大学大学院終了後、電通に入られましたが、僅か3年
で独立。私たちの身の回りにあるあらゆるもののデザインを手がける傍ら、その
仕事は店舗デザイン、新商品の開発、はてはテレビ番組の制作など多岐にわたっ
ていて、今や日本を代表するグラフイックデザイナーの一人、と紹介されています。

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「デザイン」というと、ともすれば表面的な形や色に気をとられがちな私たちに、
明快な例を挙げて、持論の一端を述べられているのが、同サイト「情熱語録」に
収録されていますので、引用させていただきます。

『郵便局のマークはデザインの名作ですからね。本当に最低限の要素しかそこに
ないんですよ。それ以下でも多分わかんないかもしれないし、それ以上だと、今度
は街の雑踏の中に埋もれてしまう。』

『感性ってだれにでもあるんですよ。感性のない人なんていないんですよ。それを
「クリエーティブは感性の仕事だ」なんて言われたときに、「えっ!?」と思ったんで
すね。だって、どんな人だって生活の中でいろんな工夫をしたり、道を歩いてたって、
どこの道を歩こうか、あっちへ寄って、こっちへ寄ってと考えているわけですよね。
だから、クリエーターは感性の仕事ですという言い方は昔からよくされるんだけども、
すごく嫌いで、そんなことを売り物にするなって思っていたんですね。僕は、ですよ。』

(理髪店のサインポールについて)
『理髪業ということを知らせるためだけに何でこんなものが生まれたのか。誰も
疑問に思わないほど生活に根付いているのが、特別にデザインという意識を持っ
てないものばかりですよね。そういうデザインにかかわれたら本望ですけどね。』
(引用終わり)

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【デザインがデザインであるうちはデザインでない】 (佐藤 卓)

あらためて「グッドデザイン」とは何かを教えていただいた気がします。

横山国男

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2008年03月26日(水)更新

異動の季節

福井県の「地域産業=デザイン・工芸振興グループ」主査のFさんから、異動の
メールをいただきました。

1年前、デザインセンターから異動され、福井県の代表的産業である、合繊織物
の振興企画として3年目を迎えた「全国YOSAKO衣デザインコンペINふくい」の
推進役を勤めていただき、当社もいろいろお世話になりました。

3年ほど前、デザインセンターが主催する「ワークショップ」に、半年ほど参加させ
ていただいて以来のお付き合いでしたので、今度の短期間での異動は、私個人
としても驚きであり、残念なのですが、何よりご本人がビックリされたようです。

『今度は、なんと農林!販売開拓課であります。食べ物の世界であります。来週
からです。』とあり、『不安ですが、ちょっと関心しています』と、デザイン職である
ご自身のとまどいも少し語りながら、全庁あげて、デザインの事業ができれば
いいですね、とユーモアも交えて抱負も。

若いうちの色々な経験は、きっと仕事の幅を広げてくれるはず。頑張ってください。

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このように、Fさんからは今までの受講生に、ときどきメールが送られてきて、
セミナーの案内や、デザインに関する短い、しかし鋭い分析などもあって、楽しみ
にしていましたが、今回の「異動の報告」の中にも、次のような示唆に富んだ引用
がありました。

「デザインが、デザインであるうちはデザインでない」(佐藤 卓)

「ニッカ・ピュアモルト」の商品開発、「ロッテ・クールミントガム」や「明治・おいしい
牛乳」などのパッケージデザインなどでも著名なグラフイックデザイナー佐藤卓氏
(作秋“情熱大陸”にも登場)の語録だそうですが、気になってプロフイール、その
仕事観をちょっと知りたくなりました。

では、佐藤卓氏の言う「デザインとは何か」について、またまた教えられることが
多かった話は、長くなるので次のブログで。

横山国男

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2008年03月19日(水)更新

「一心」・・盲目の貫主が書かれた我が座右の銘

色紙「一心」

この色紙「一心」は、会社の私の仕事部屋に30年架けてきました。
家宝とかその手のものには縁がありませんが、カナイの父より、創業の際に譲り
受けたものとして、最も大切にしてきました。

長い間にかなり黄ばんできましたので、先日懇意の「京表具師」のTさんに「お洗
濯」をしていただいたところ、きれいになって戻ってきました。
額も新しくして気分を「一新」しているところです。

書は大本山永平寺74世貫主佐藤泰舜禅師。昭和50年ごろに岳父が永平寺が
ある町の警察署長に就任した際、戴いたそうですが、この色紙を初めて見たとき、
そのなんとも言いがたい力強さ、迷いの無さに魅かれて、懇望して創業の記念に
譲り受けました。
(因みに今年1月5日、106歳で亡くなられた宮崎奕保(えきほ)貫主は第78世です。)

 実は佐藤貫主様は、目が不自由で視力がありませんでした。この書もお側に
おられる禅僧が、筆を持たれた貫主さまの手を置かれた色紙まで導き、そして
一気に書かれた、と面前した岳父より聞きました。

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一心・・・私は「一業専心」と肝に銘じることにして来ましたが、「一心不乱」、社員、
家族と「心を一つに」などとも読める、我が座右の銘でもあります。

盲目であられたが故でしょうか、澄み切った、一点の疑いのない素晴らしい書だと
感じるのですが、どう思われますか。

横山国男

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2008年03月17日(月)更新

3mx6mの大布2枚に「技」と「創」を大書・・吉川壽一の世界

級友でもあり、当社の顧問としていろいろお世話にもなっている、書家の吉川壽一さんが
「県立科学技術高校創立100周年記念行事」の締めくくりに、同校体育館で350名の
在校生、教職員その他多くの観客を前に先週の14日「揮毫パフォーマンス」を披露してくれました。


新聞の切り抜き
<福井新聞3月15日記事>と<飛翔の記念碑>


同校は100年前、「福井県工業講習所」として設立された、日本でも最も古い工業系の
高等学校ですが、繊維、染織、機械などの地場産業へ多くの人材を送り出し、卒業生は
1万数千名にもなります。

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今回の「記念行事」関係では、私は「記念モニュメント建設」「中国姉妹校交流」の委員長を
命じられ、5年あまり前から準備をしてきましたが、昨年11月に「記念式典」を無事終える
ことができました。

吉川さんには、高さ2.3mの大きな「記念モニュメント」の石碑に“飛翔”と勇壮な文字も揮毫してもらった
のですが、この彫りこまれた文字には墨でなくブルーのペイントを施したところ、教職員、生徒
さんからとても好評で、先日も学校へ行きましたところ、卒業生でしょうか、この碑の前で
にぎやかに記念写真を撮っていました。

11月の記念式典に出席してもらった吉川さんが、「どうも最近の高校生はおとなしいね、元気
がないっちゅうか、ひとつ発破をかけようや」ということになり、「大書揮毫パフオーマンス」
が実現したわけです。

3mx6mの大布の左右に「テキスタイルデザイン科」(私の卒業科)の1,2年生(計69名)が、
「未来」をテーマに27cの円形のグラフイックデザインを作成したものを、当社でインクジェット
染色で制作、中央の空間に吉川さんが大筆で「技」、もう一枚に「創」を大書しました。

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生徒さんはそれぞれ自分の作品にサインをいれ、かくして「吉川寿一・生徒の未来に向けたコラボ」作品
が完成、盛大な拍手が沸きましたが、パリのエッフェル塔前、中国の天安門、ドバイの
沙漠などで「書(SYO)]と格闘してきた「オジサン」の情熱が、若い人に“熱いモノ”を
呼び覚ましてくれたら、というのが私たちの願いだったわけです。



横山国男

【染型工房 横山工藝】
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